挑む!


第10話:打ち明ける


…ラブホテル…
正しくいえば旅館だったけど
…あの日
そう…
坂尻さんが教習所を辞めた日


私は坂尻さんを待ち伏せして

自分の気持ちを告げる。
坂尻さんは、少しだけ黙っていた。
坂尻さんは結婚すること
私のことは、好意はもっていた、
可愛い妹のようなものだったと

私は坂尻さんの目をしっかりと見た。

坂尻さんは、
嫌いでないから、
君のお兄さんと同級だし
別の付き合い方をしていきたいと思う。

…妹のようなもので
恋愛感情のない可愛い妹?
私は坂尻さんに愛されたい。

妹じゃ、嫌だ。
そんなことを言えなかった。

坂尻さんはよく私の気持ちを読んでいた。


『妹じゃ不服?』
意外だったけど


『明日 卒業した中学校の正門に夜8時に待っている。』
…夜8時に待っている?


『多分、行くから』
坂尻さんは言った。

そして、
その日坂尻さんと私は車でドライブをしていた。

急に、坂尻さんが、車止めた。

坂尻さんと見つめあった。

坂尻さん?

坂尻さんの手が私の顔を優しく包んだ。

胸は高鳴る。

坂尻さんの唇。
私の唇に軽く触れた。
私の目から自然と涙がこぼれた。



坂尻さんは
『彼女を裏切ることはできない。』
え?
『坂尻さん 彼女さんと幸せになって欲しい。 』
『わかっている。』
『だから、思い出が欲しい。坂尻さんと、思い出が欲しい。一度だけ、私を…』
坂尻さんは
『それで君が僕を忘れることができるのならいいよ。君だって苦しいだろう?』
『坂尻さん』
『一度だけ、で僕のことを忘れられたら晴海ちゃん、



小さなホテルへ入った。

坂尻さんの唇に何回もキスをしたっけ。



『抱くよ。』




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