久遠の記憶2

第1話：大地母神レア

まだ小宮にいるか。さっさと出て行け。
大地母神レアは部下からの報告に美眉を潜めた。外見は30代前半の美女だが悠久の時間を生きている。
クロノスを討ったハーデスとポセイドンを追い出すにもレアには親としての考えがある。大地母神としては、クロノスを討ったハーデスとポセイドンの力なら下界の海界と冥界の秩序を築いてくれるだろう事。何よりゼウスの足元を脅かす可能性の強いポセイドン、力がありながら気性が優しく天蒂に向いてないハーデスは心の隙を敵に突かれ操られる可能性がある。強すぎる野心と、優しい気性では天界の主にはなりえない。ゼウスはその中間、常に己を客観的に分析でき情に流されない強さがある。がハーデスの闇の護りの力とポセイドンの三ツ又の矛を媒介とした水の支配力は敵にすると厄介だ。
だから神衣を抹消ないし封印し、部下もなく放り投げた訳だが。母親としては手元で可愛いがってきた末っ子を天蒂にしたいという歪んだ親心からだった。
レアには一つ拭えない不安があった。

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