久遠の記憶2


第6話:双子神


冥界が誕生して悠久の時が過ぎたが冥界は混沌としていた。死を司る神タナトスと眠りを司る神ヒュプノスの双子神は暗黒の冥界の先、極楽浄土エリシオンで遊び暮らしていた。
だが、ある時からタナトスは冥界に蠢く魔獣妖魔の断末魔を察知していた。相手にするのも煩わしいので放っておいたのだが、何者かが冥界に入り、混沌の塊と戦っていると。
「タナトスよ。この力を感じているか」眠りの神ヒュプノスが笛を手にタナトスの元へやってきた。「ああ。冥界の魔獣妖魔を相手にできるのは俺たちしかいないと思っていたが」
「死の気配だけではない…眠りの…浄化の力も感じる。何者だ…」
「バカな。始まりと終わりの力ではないか」
冥界に満ちる圧倒的な力は双子神の無視できる範囲を越えていた。


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