久遠の記憶2
第9話:激突
「我が名はハーデス。この冥界を統治する為に来た」
「ハーデス…オリンポスの長子か。クロノスの討った功労者」
金色の神が軽く目を見開いた。銀色の神は嘲笑する。「ゼウスに何もかもとられた情けない奴か。そうかお前がハーデスか」
「汝らの名は?」
ハーデスは取り合わない。銀色の神は不快感を露に眉を逆立てた。「原初の神に対し無礼な奴め!オリンポスの神風情に名乗る道理はないわ」
「原初の神ならば教養はあるかと思ったが、躾から入らねばならぬかな」
「こやつ!少々魔獣妖魔を相手どれるからと調子付きおって!」
「ハーデス、我らを相手にするつもりか」
激昂する銀色の神と対照的に金色の神は冷静だった。
「全権を私に譲ってくれるなら。争うのは本意ではない」「ふんほざきおるわ。我はタナトス死を司る神」
「我はヒュプノス。眠りの司る神」
双子神の全身に力が満ちる。
「オリンポスの長子よ。後悔させてやる!」
第10話へ
第8話へ
目次に戻る
TOPに戻る
ISM Inc.