久遠の記憶―冥王ハーデス―
第2話:天界の狭間
ゼウス、ポセイドン、ハーデスの3大神はクロノス討伐後大地母親神レアによってゼウスは天界をポセイドンは海界をハーデスは冥界を統治するよう命じられた。
レアは各々の統治者として見合った地に封じたとしたが一方的にレアが跡取りに決めたのは明らかだった。
「自分の為に父親殺しをさせておいて、今度は怪物退治に明け暮れろか。とんだ母親だ」
ポセイドンは鱗衣〈スケイル〉を鳴らし、三ツ又の矛の石突きで石床を穿った。「ポセイドン、クロノスを討伐したとはいえまだ天界にはクロノスの残党がいる。不遜にも大神の玉座を狙う輩も出てこよう。ゼウスも安穏と座ってはいられまい」
闇を溶かしたような冥衣〈サープリス〉を纏うハーデスは弟をたしなめた。
「神闘士〈グローリー〉という護衛付きでな。私達とは大違いだ」
ポセイドンにもハーデスにも部下らしい部下も軍隊もない。
「ハーデスお前は長子として腹立たしくはないのか。神衣〈カムイ〉も抹消されたんだぞ?」
ヘパイトスが作った神衣〈カムイ〉はハーデスは抹消され、ポセイドンは封印された。代わりにあたえられたのが今その身体に纏う物である。「過ぎた力は及ばざるが如しだ。このくらいで充分だ」、
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