小さく短い恐怖 4/3更新


第10話:『僕だけの秘密基地』



「〇〇くーん、あーそーぼ。」
「こんにちはー、ガスの集金に来ました。」

なんでだよ、なんでなんだ!
僕がいるのは廃墟となった知らない人の家なのに、僕だけが知ってる秘密基地な筈なのに、僕の名前を知ってる人が来るわけないのに、ただ一人で遊んでいるだけなのにぃ!
それなのに…なんでさっきから同じ声の来客が何度も何度も来て、しかもたまに僕の名前を呼ぶの?!
なぜ?なんで?どうして?

「○○くん、しげおじさんだよ。おみやげもってきたよ。開けておくれよ。」
「こんにちはー、郵便配達です。」

なぜかなんとなくだけどわかる…。
こうやって台所にあるボロボロのテーブルの下でブルブルふるえてる限り大丈夫…。
だけどわかる、玄関を開けたらいけないと、開けたらもう助からないと…。
お家に帰りたい、でも玄関を開けてはいけない。



「○○ー、いるのかい?ママだよ。迎えに来たよ。いたら出てきておくれ。お家に帰ろう。」



………






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