Dreames(夢.少女を改題)


第2話:公園で


辺りはだんだん薄暗くなってきた、公園の街灯も点きはじめ、人通りもなくなって、西村だけが、一人ベンチに腰掛けている。家々に灯がともり、『あの一つひとつは幸せなんだ、それに引き換え』
仕事を失い、家族に去られ、自分の人生は一体何だったのか?と自問自答してみるが、心には侘しさだけが、凍みてくる。
「おじさん、どうしたの」 いつの間にか、彼の前にこの暗いなかを少女が立っていて、話しかけてきた。『こんな子に何が分かる』 西村は心で呟く。
 「おじさん、いま、こんな子に何が分かるって思ったでしょう」
 少女が微笑みながら言う。
 「えっ何故?」
 「わたし、人の心読めるの」
 「おじさん、会社首になったし、不幸続きなのね」 西村は心総て少女に言い当てられ、息を飲む。
 「おじさん、おじさんの夢って何?」
 「夢って、」
 いつから、夢って見なくなったのだろう、結婚して、娘はできたが、仕事仕事とがむしゃらに働いてきたけど、夢っていつの間にか見なくなった、今まで自分は生きてきたのか?本当に!
 「おじさんの夢叶えてあげる」


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