町のぬいぐるみ屋さん


第2話:クマさん 2


とうとうクマはぬいぐるみ屋さんの家の前で泣き出してしまいました。
どんなにお星様達が優しく声をかけても耳のないクマには届きません。

ある夜、ぬいぐるみ屋さんは小さな泣き声を聞きました。外で誰かが泣いています。
「おや」
ドアを開けてみるとドロだらけの耳のないクマのぬいぐるみが小さな体を丸めて泣いていました。
クマの小さな黒い瞳からつぎつぎと涙がこぼれてきます。
「こんなに泣いて、どうしたんですか。かわいいクマさん」
ぬいぐるみ屋さんは丸い頭をそっとなでてあげました。
それでもクマの瞳から涙は止まりません。


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