ヴァディア第2章


第26話:ガイアード


カリューナの本質を制御するために仕掛けたが、ガイアードとしてどうやら上手く「機能」してくれたようだ。
ネプトディア王家に害が及んだとき容赦なく排除するために作られたのがガイアードと呼称される守護者だ。
背景が不安定なカリューナをガイアードに作り上げる。ミネルヴァの適合者という肩書きもあればガイアードとして王家に深く係わらざるを経なくなる。
カーディスを追い詰め仕掛けは発動した。呪印がカリューナをそう仕向ける。暫くは「還らなくても」済む。
はね飛ばされたカリューナはこともなげにけ立ち上がり深緑の瞳を鋭く光らせ、グウィネスを排除せんと雷撃エーテルを収束する。
純粋なエーテル能力者を前にしてもグウィネスは余裕があった「貴方には、ルヴィス様のガイアードになっていただきますよ」
グウィネスを中心に逆巻くのは異様な風圧。
それが再びカリューナをはね飛ばす。カリューナは体勢を立て直しつつ雷撃を撃つが風圧に腕を跳ねられて起動が逸れてしまう。
「全体化しないのは、カーディス様がおられるからですか」錆色の瞳を笑いの形にしてグウィネスは着地し体勢を直そうとするカリューナに風圧を叩きつけた。容赦ない一撃をくらい小さな体は床に打ちつけられた。
「貴方のおかげでエーテルデバイスはかなり高性能になりました。私でもここまでできるのですからね」
そしてサーヴァントと適合者のエーテルデバイスを通じたリンクも。
なおも起きあがろうとするカリューナ。ネプトディア王家を守ろうとする「刷り込み」は成功したようだ。本質が守ろうとする「物」をすり替えられた。
あとはルヴィスに限定したガイアードになってもらうとしよう。
波紋が再びグウィネスの足元から波打つようにカリューナを捕らえる。
殴りつけられるような強烈な呪印の力にカリューナは崩れ落ちた。


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